がんばれっ

見上げる

 シュ太は一時は犬の骨格見本みたいに背骨と肋骨がくっきり見えてましたが、今はまた体重も増え、後ろ足の筋肉もついてきて、ちゃんと年寄りのラブラドールに見えるくらいになってきています。
 歩くのも速くなり、ルイよりもさっさと歩けるんですが・・・重病の時に鼻先にジャーキーや干し芋を突きつけて無理に立たせて歩かせていた後遺症があり、なかなかまともに歩こうとしません。
 昨日も、じっと主人を見上げながら「何かちょうだい〜〜」と目で訴えて、先に歩いている主人の後ろから一歩、一歩と、まるで”だるまさんが転んだ”をやっているようなふざけたことをやってました。
 すると、事情を知らないどこかのおばさんがやってきて、シュ太の隣で励まし始めました。
 「がんばれっ」
 シュ太、一歩歩く。
 「がんばれっ」
 シュ太、一歩歩く。
 そうすると、周りの人も歩く速度を落として注目します。
 主人の困った顔見て、私はもう少しで吹き出すところでしたが、同時に、善意で真剣に励ましてくださっている方に対して、どう説明したら良いのかと困ってしまいました。
 シュ太〜〜
 まともに歩けるんだから、ちゃんと歩いてっ


 写真は、ただただ主人を見上げながら歩くシュ太