プリント

犬柄


 私の会社は9割を問屋に卸しています。
 問屋さんのところのデザイナーがデザインしたコートを韓国や中国の工場に指示を出し、ボタンや裏地などは日本から送って作らせます。
 そして完成したものを日本に輸入するのです。
 貿易会社ということで、ただ、出来ている物を海外で買い付けて、それを販売しているのだと思われる方が多いのですが、我が社の商品はほとんどがこのようにして作ったものばかりです。
 イタリアの場合は、完成品を輸入しただけでしたが、価格が高いこともありましたが、何よりも検品に行くのが大変なので取引をやめました。
 革のような高額商品の場合、日本に着いてから不良品が混ざっていたりした場合返品やら交換やらにひどく時間やお金がかかりますので、必ず現地に行って検品をし、商品に間違いが無いのを確認してから輸入手続きをとっています。

 取引先の問屋さんは年配のご婦人用のコートを扱っていますが、10数年前に初めてプリントした革の情報を問屋さんが持って来た時には驚きました。 
 それまで革コートと言えば表革、スエードもありましたが、色で変化をつけるくらいでした。
それが、まるで洋服の生地のように様々な柄がプリントされているのです。デザインの幅が一気に広がりました。
 プリントの革は豚革でした。
 豚というと良い印象を与えないかも知れませんが、丈夫で安価なので割とよく使われています。
 豚革にもランクがあり、一枚の皮から3層くらいとれる時があります。
 一番表皮に近いところの皮が柔らかくなめらかですが、一番下は床(とこ)と言われ、硬くて重くなります。 豚革の床を使った商品はよく見ると毛穴のようなブチブチが見えます

             by (株)ビーウェルインターナショナル 山口信行