イタリア製コート
毛皮と同時にイタリアから革コートも輸入しました。
毛皮は香港の工場からですが、革コートはミラノからでした。
知人のイタリア人にミラノに同行して貰い、あちこちの革の工房を訪ねて回り、クリスチャーノというブランドを見つけて買い付けました。
ここのコートは素晴らしかったです。
色と言い、デザインと言い、革の質と言い、最高級でした。裏地にまで刺繍がしてあったり気が配られていました。 ファッションはイタリアが最高だと思いました。
関税やら送料やら入れるとかなり高額な商品になってしまいましたが、面白いことに値段の高い物から売れました。 ミンクとあまり変らないような値段でしたが。
ミラノ大聖堂の前で待ち合わせのために一人でぼーっとしてましたら、カメラを持ったイタリア人の男が三人やってきて身振りで写真を撮ると言うのです。通訳の知人がいなかったので、こちらも身振りで「いらない」と言ったのですが、少し離れたと思ったらいきなり撮影され、驚きました。
そして、人気の無いところに連れて行かれ代金を請求されました。それほど高額でなかったし、怖かったので言いなりに払いましたら写真が出来たら送るから住所を書けというのです。 そんなこと全く信じていませんでしたが、住所と名前を書いてきたら、帰国してしばらくしたらちゃんと写真が送られてきて却って驚いてしまいました。
このクリスチャーノのコートはよく売れたので何度か追加で輸入しましたが、バブルがはじけたのでイタリアからの輸入はやめてしまいました。
よく「イタリアン」と書かれた革のコートがありますが「イタリアン」と「イタリア製」は違います。私の店にも「イタリアン・ラム」がありますが、あれはイタリア産の羊で作ったコートという意味です。 イタリアラムも柔らかくて軽くて素晴らしいのですが、あくまでもイタリア製とは別物です。
by (株)ビーウェルインターナショナル 山口信行