チロリちゃんのお別れ会

チロリ

 4月19日に毎日新聞、28日に読売新聞の社会面に出ていましたが、日本のセラピードッグ第一号のチロリちゃんが3月16日に亡くなりまして、昨日30日に日本橋のロイヤルパークホテルでお別れ会があり、参列してきました。
 チロリちゃんは5匹の子犬と共にゴミ捨て場に捨てられていた雑種犬で、保健所に連れて行かれ、刹処分予定の日の朝に米国在住のミュージシャンの大木トオルさんに間一髪で救い出されました。
 大木さんには昨年度より私の主宰するNPOラブラドール社会福祉協会にご協力くださり、セラピードッグの訓練をご指導いただいていますが、米国でセラピー活動をしていて表彰された時に知人から「日本のひどい犬事情を知っているのか?」と逆に質問され、奮起して日本にセラピードッグを紹介し、千葉県の動物愛護センターの環境改善を求めて活動なさっておられる方です。
 チロリちゃんは人間からゴミと同じに扱われたのにも関わらず、非常に穏やかで笑顔の素晴らしい犬でした。
 今年の2月に特別養護老人ホームでセラピー活動を見せていただいた時にチロリちゃんが認知症の方の顔を覗き込み、心から心配そうに励ますような態度で接していたのを感動と共に思い出しました。
 チロリちゃんの励ましでたくさんの認知症の方が回復され、寝たきりの方が起き上がったり、指が曲がったままだった方がスプーンを持てるようになったり、歩けない方が歩き出したりの数々の奇跡があったそうです。
 昨日のお別れ会では300人ほどの方がチロリちゃんを偲んで集まりました。
お別れの言葉を述べられたのは鳩山由紀夫さんの奥様とテレビ東京会長の杉山氏でした。
 東京都中央区長と沼津市市長から感謝状が送られ、千葉県からも堂本さんのメッセージ付きで感謝状が届き、それまでの10枚以上あった感謝状と共に飾られました。
 大木さんは娘を失ったのと同じ悲しみです、とおっしゃっておられまして、在りし日のチロリちゃんのビデオには大木さんのステージにまで参加している本当に仲の良い姿が映し出されて会場中あちこちから嗚咽が聞こえてきました。
 大木さんのところのセラピードッグはみんなものすごく良い子達ばかりです。
ハスキー以外は全て保健所から助け出された犬で全員大木さんと共に暮らしていますが「犬のしつけは褒めることと根気です。絶対に叱りません」という大木さんの訓練方法によるものだと思っています。
 大木さんは毎月訪問されている老人ホームの入居者の方たちからは「チロリはどうした」「なんで来ないんだ」と何度も聞かれ、皆さんにショックを与えずにチロリちゃんのことを、どう伝えたら良いのかと悩んでおられました。

 ゴミ捨て場から救い出された名犬の冥福を心から祈ります。