そもそも革を扱い出したのは

ブレザー1


 私は昭和22年生まれです。
 大学の機械科を卒業したのに、先輩に引っ張られて何故か商社に就職してしまいました。
 商社では機械類の輸出の他、木材の輸入もやりました。冷凍のエビを日本に初めて輸入したのは私のいた会社だったはずです。
 フィリピンやインドネシアにも駐在しました。
 が、その商社は社長が亡くなり次の社長に代わった途端に行き詰まり倒産してしまいました。

 結婚して子どももいたので何とかしなくてはと慌てて就職先を探したら、ひどい会社でした。
 機械の輸出ということでアメリカから中国韓国ヨーロッパとかなり出張しましたが、ヨーロッパ7ヶ国を10日で回った時は大変でした。(しかも汽車やバスまで使って節約出張)

 その会社にも頑張って数年勤めましたが、我慢が出来なくて辞職。その次に入社したのが毛皮や革のコートを販売している会社でした。その会社の輸入担当者として雇われました。

 かなり手広くやっていた会社で割と気に入っていましたが、どうしても自分で会社を経営したくて脱サラしました。
 それが1986年。
 大学卒業以来ずっと貿易の仕事をして来ましたが、最後にいた会社で革の知識を身に付けたし、中国や香港、韓国、イタリアなどの工場にも取引先があり、革コートメインの貿易会社としてスタートしたのです。

                              by 山口信行